メディアプロジェクト演習2の発表スライド

徐先生から3回生へのコメント

当研究室では,画像処理,そしてメディア情報学実験Uが大きく関連している.
これらの講義での内容は当研究室で必須となるものばかりである.
だからといって,他の講義を疎かにしていいかといえば,決してそうではなく,
例えば,プログラミングに関しても同じことが言える.

皆さんはプログラミングの練習をするときに,だいたい,数式が与えられて,それをプログラムで実現する練習ではなかったであろうか.
しかし,現実の問題に直面したときに,その数式は空から降ってくるものではない.
その数式を自分で作り出すか,他人が作り出した数式を自分でプログラムで実現するか.
前者は上流工程の仕事であり,後者は下流工程・プログラマの仕事である.

あなたはどちらの仕事をしたいか.


3次元ビジョンの研究で必要な最も基本的能力は,ものごとを記号で表し,記号で処理すること,つまり数式,である.
数式があれば,プログラムで処理が可能となり,ここまで来ると誰でも出来るようになる.
この能力は決して3次元ビジョンの研究だけで必要なわけではなく,ものごとを記号のレベルで考え,なんらかの抽象的結論を得る能力は,あらゆる仕事で必要である.
その能力の有無によって仕事の質とレベルが大きく異なる.
徐の授業は,この基本的能力を高めることに重きを置いている.
数式が出てくるので,慣れていない人は嫌がるかもしれない.
徐が観察したところ,立命館の学生は高校時代,それなりに数学を習ってきており,それなりに高い数学能力があったが,大学に入ってから数学の教育・学習がきちんとなされていないため,本来の能力を伸ばすことができていない.
これは決して立命館だけの問題ではなく,東大も含め日本のどの大学の工学教育にも存在する問題であり,日本の工学研究が世界に遅れる最大な原因はここにある.
前述したとおり,高校まではそれなりにしっかりした数学を学んでいるため,徐の経験では,研究室で訓練すれば,ものごとを記号で表現し,処理する力が養えるものである.
徐研を卒業し,ソニーに入社して4年後に係長に昇進した瀬尾君は,自分がこんなに早く出世した理由は研究室で鍛えられた数学力による部分が大きい,と言っていた.
他人がチグハグの手法でプログラムを組んだところ,自分は例外のない数式を立てることにより完璧なプログラムを簡単に作成できたことに周りが一目を置くようになった,と述べていた.